概要
都会でありながら喧噪とは縁の無い場所に建つ小柄な集合住宅である。
1Fは最小限のテナントと最小限の住戸、上階はコンパクトながら使い勝手のいいワンルームと、メゾネット住戸で構成されている。
この集合住宅の設計コンセプトは、ワンルーム住戸のリビルドである。
一般的なワンルーム住戸の場合、玄関ドアを開け、キッチン兼用の狭い廊下を通り、唯一の窓を持つ居室へと足を進めるが、この建築では、玄関を開けるとまず大きな窓が目に入る。
空間のつながりは玄関-キッチン-居室で変わらないのだが、住戸のレイアウトを工夫することにより、狭苦しい兼用空間を無くすことができている。
この窓は建物壁面から突出するようになっており、狭い敷地で最大限の空間を獲得する手段でもある。
窓のある廊下を通り、居室へと進むとそこにも窓がある。
こちらは適度に小ぶりなサイズで、居住空間のプライバシーを守りやすいようにしている。
水廻りは機能を満たす分の最小限。
それでもガラス張りのバスルームは、部屋と一体化して狭くは感じない。
室内空間は床も含めて白系で統一されているので、床面積以上に明るく、広く感じられる。
キッチン・廊下部分の窓の恩恵は大きい。
外観からは分からないが、実は開放的で、機能的で、コンパクトな空間。
上階ではスカイツリーも見える、都会のような?下町のような?場所に建つ、ちょっとした隠れ家ワンルームとなっている。