井の頭公園の集合住宅 - 概要

0395_inm_01(c) Ryota Atarashi

前面道路の先に大きな公園を見渡すことができる傾斜地に建つ集合住宅。

敷地は道路より地盤が高く、間口が広いので、建物のボリュームをひとかたまりとすると、周辺に大きな圧迫感を与えてしまうことになる。また、敷地中央によって用途地域が斜めに分断されるので、道路斜線の影響から複雑な形になる可能性があった。

これらの与条件をふまえて検討を行った結果、用途境界に沿った形でコの字を描くように中央を開く平面形状とした。共用玄関は谷のようになった部分を下りた先にあり、その屋根部分は避難通路を兼ねたテラスとしている。
共用階段はあえて低層棟、高層棟の2カ所に設け、住戸玄関をつなぐ共用廊下を廃することで、共用部の面積を減らした

住戸は2つの階段室を挟み、コの字を輪切りにするように配置することで、開口部を2つ以上の方向へ確保し、通風と開放感を得ている。窓の高さは全ての住戸で大きくし、より高い開放感を感じられるようにした。このように良好な周辺環境への開放感を共通とする一方で、住戸内のプランは方位や階、開口の位置によって異なる。可動間仕切りにより2室を大きな1室として使える住戸や、ガラス張りのバスルームを持つ小ぶりなワンルーム。 地階においては防音性能を確保した居室付きのメゾネットなど、コンセプトの違う住戸を一つの建築に混在させることで、多様化するライフスタイルに適応できる集合住宅としている。

date:
2021.12.28.Tue
categories:
井の頭公園の集合住宅
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